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辺りに広がる噎せ返るようなクチナシの香り。
「…っふ…ぅ、あ…っ」
甘い甘い豊潤な香りは僕を可笑しくする。
「…っ甘い、ね…」
「っは、なにが、ァ、ですかっ」
「匂い、」
生産性のカケラもない行為に没頭して、甘い香りに思考が狂わされる。
「くち、なし…」
「クチナシ?」
「ですよ、この花、」
「ふぅん」
細い指が静かに僕の身体を這い回る。
繋がった箇所をついと撫ぜられて、堪らず腰が浮いた。
「っひぁ、」
「…淫乱」
「そんなァ、ァっ」
ぐちゅぐちゅと耳を塞ぎたくなるような淫猥な音が辺りにくぐもって響く。
甘い甘い、クチナシの。
くらくら、するような。
蕩けそう、になる程の。
「んァ…っ」
「イきそう?」
「ひ…ぐっ、ぅ」
「イかせないよ」
「あ、あぁ…ッ!」
絶頂の寸前まで追い込まれて、それでも欲を塞き止められて。
もどかしくて泳いだ指先に触れた花びらをきつく掴めば、ぱっと香りが弾けた。
「あ…ぁ、も…きょ、や」
「な、に…骸?」
「おねが…っです、から…ァ、っ!」
ああ。
狂う。
「…っか、せて…ッ!」
開放されたと思ったら一際奥まで深く抉られて、堪らず吐き出した直後に。
身体のナカに刻み込むように、熱く溶かすように相手の欲も吐き出されたのが、薄れていく意識の中ではっきりと分かった。
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「花の濃い香りってさ、」
「…?」
「催淫効果があると思うんだよね」
「はぁ…」
「腰どう?」
「イタイです。間違いなく擦り傷です」
「擦過傷だね。舐めて治してあげようか?」
「今度は膝がなるような気がするので遠慮します」
「あ、そう」
「ひゃおっ!?な、何するんですか!」
「(ひゃお…)だから、舐めて治してあげるって」
「い、いりませんって!」
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