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何なんでしょうね、貴方は。
ドン・ボンゴレ、沢田綱吉。
憎むべきマフィア。
利用するべき相手。
「…なの、に」
すぐ隣りで眠る相手に何もできない。
油断しきって僕の肩に頭を乗せている小さな小さな存在。
この華奢な肩に、腕に、背中に、ファミリーを背負っている。
小さな存在、それなのに。
誰よりも優れ、誰よりも寛容で。
「…君といると、自分が酷く矮小な存在になった気がしますよ」
心を許してはいけない。
心を許せば脆くなる。
目を奪われてはいけない。
目を奪われれば弱くなる。
非情に、なりきれなくなる。
戦いの場で、君によく似たキャラメルの髪色を見掛けただけで手が止まる。
子供を見掛けても邪魔ではなくなる。
そのくらい、君が心に深く根付いて――自分が、只、弱く、成る。
「それでも…綱吉くん」
君のそばにいたい、だなんて。
ばかばかしいけれど、本音なんですよ。
言いませんけど。
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